マイホームの購入にあたり、住宅ローンは切っても切れないといっても過言ではありません。自分に合ったローンを探せるように、住宅ローンに関する仕組みや賢いローン術などを押さえておきましょう。ローン会社はどこでも同じではありませんし、金融商品も同じではありません。ましてや審査基準なんて全くといっていいほど違ったりもします。ポイントを知っておきたいですね。
住宅ローンの流れ
新築や中古物件など、不動産を購入する際には、たいていの場合住宅ローンを活用します。そのためには、まずは希望の不動産物件を探し、それに対してのローンの審査に通る必要があります。
物件も何も決まっていないのに、ローンの審査を通すことはできません。基本はあくまでも借主が、どの物件でいくらまでの限度額で何年で返済するのかということが前提になるからです。それに自身の収入や年齢、または世帯年収なども踏まえて審査となります。
詳しい審査基準は各金融機関でも変わりますし、支店ごとでも違いますので、絶対にこれだといったことははっきりしません。借りたいという希望者の情報によって、得意とする金融機関などがあったりもするのです。
金融機関の特徴
メガバンク
いわゆる大手銀行、全国に支店を持つ圧倒的な知名度を誇る銀行。三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行・りそな銀行など。
りそな銀行以外の3行の審査基準は「減点法」です。年齢・勤務先・勤続年数・年収・希望借入額で算出し、一定の点数以下だと融資不可といった具合です。
大手のメガバンクにもそれぞれに特徴がありますが、全国に支店があるため、窓口での相談や手続きをすることに長けています。必要書類などの不備や融資の流れなども丁寧に教えてくれるでしょう。
住宅ローンともなると手続きや必要書類が多く、複雑なものとなるので、担当者がつきしっかりとサポートをしてくれるのは大手ならではの安心感がありますね。
金融商品も豊富で、金利は安めになっています、その背景には莫大な資金力があるため、薄利多売でも十分やっていけるといった事情があるのでしょう。
また、前述したようにメガバンクはローンを組む本人の「内容」を重視するところがあります。その他にも保障の内容が充実している・倒産のリスクも少なく、審査スピードも速い、といった特徴もあります。住宅ローンは長期的な借り入れになるため、そういったことは安心材料のひとつになるでしょう。
地方銀行
地方銀行の特徴は、銀行ごとにさまざまです。審査の組み方や重視する点が銀行によって変わってくるので、ローンを組む本人の内容や条件など、銀行によって可にも不可にもなってきます。事前審査をする前に銀行の担当者、或いは不動産業の人としっかりと情報共有をしてタッグを組んでおいた方がいいでしょう。
柔軟な側面がありつつも、融通が利かないと思ってしまう一面もあります。また普通に借り入れをすると金利は高め、しかし銀行独自のプランなど、金利の優遇措置があるため、場合によってはメガバンクより金利が少なるということもあります。そのため、ローンを組む本人の意思と銀行のやり方が合致すれば、良いパートとなる可能性もあるでしょう。
メガバンクではあまり聞かない「連帯債務」や「分割融資」などもあります。
表面的な金利だけを見ていると見落としがちですが、前述した金利の優遇措置や団信補償、諸費用の安さなど、全体で見るとお得なプランなどもあります。
ただし、特定の地域や支店のある都市でしか借り入れができないといったデメリットもあります。
住宅金融支援機構
銀行とは違い、資本金の全てを政府が出資している独立行政法人です。
住宅の金融における資金の供給を支援し、住生活向上への貢献を目指している機関といえます。
最大の特徴としては35年間の長期型ローンと全期間の金利の固定型です。
長期固定の金利は、民間の銀行ではリスクが伴うので難しく、扱っているところはありません。それを扱っているのが住宅金融支援機構なのです。
資金の借入時から返済終了までの期間の借入金利と返済額が確定します(こちらは金利の話で詳しく触れますので、ここでは割愛します)。
金融商品が充実、フラット35Sの長期優良住宅や省エネルギー、フラット35リノベの中古住宅とリフォームをセットにした商品など、多彩なメニューに富んでいます。
こちらも大きな特徴として、全金融商品が保証人不要です。
あとは、繰り上げ返済時や返済方法の変更の手数料がかかりません。大手の銀行ではかなりの金額になってしまうところもあるため、ありがたいですね。
ネット銀行
ネット銀行とは、営業上最小限にコストを抑えているので店舗数も限られており、口座開設から借り入れまでのプロセスをオンラインでのやり取りで行う銀行です。そのため、パソコンの扱いには少々慣れが必要です。各種金融商品の相談なども窓口の担当者と膝を突き合わせて決めるのではないので、書類の手配やチェックまでローンを組む本人がやらなければならず、不安も出てくるでしょう。
従来型の銀行とは違い、保証料がないのですが、その代わり手数料といった形で徴収されます。
出始めの頃は金利も低めでしたが、この頃は少し上がってきました。それでも地方銀行の一般的な金利に比べると低めの設定です。
デメリットとしては、審査がやや厳しい点です。対面でのフォローが全くない分、書面でも審査面でも厳しいのが現状です。
ハードルのポイントは銀行ごとにありますが、自己資金力・勤続年数・雇用形態・旧耐震不可あたりでしょう。
手続きに時間がかかるというデメリットもあります。郵送やメールのやり取りが基本となるために、基本の審査にも時間がかかってしまうのです。ましてや手続きの不備があれば送付の往来が増えるので、さらに時間がかかってしまいます。
固定金利と変動金利
平成、令和と低金利時代が続く中、長期の固定金利でも十分低いのですが、変動金利の1パーセントを割り込んでいるのも魅力です。マイホームを購入する際には非常に迷うところでしょう。実際、この先どちらがいいかはわからないものです。
おさらいをしておくと、固定金利は金融商品にもよるのですが概ね、1年・3年・5年・10年といった固定期間があり、中には全期間固定商品を扱う機関もあります。
固定型は、情勢などが変わったときのリスクは、その期間内であれば銀行側が背負うといったもので、その代わり変動型よりも金利は高くなっています。
変動金利型は、情勢や景気で金利が変動していくタイプです。
では、この2つの金利の選ばれている割合はどうでしょう。
2021年4月の民間住宅ローン利用者の実態調査では変動金利を選んだ人は全体の68.1パーセント、全期間固定型は11.2パーセント、期間選択型は20.7パーセントになっていました。
前述した通り、金利の動きは誰にも予測できません。
では、どちらを選べばよいのかというと、変動金利は住宅ローンを組んだとしても資金に余裕がある、あるいはローン期間が短いといった人に向いている傾向があり、期間固定型、全期間固定型は住宅ローンを組んでいるが資金に余裕がない、あるいは長期でローンを組んでいる方に向いているといわれています。
しかし、ここ数十年金利は低いまま推移していますし、変動金利などは0.5パーセントを割ってもいます。その昔、マイホームを購入すると完済時には借入金額の倍の金額を返済しているといった時代もありました。ポジティブに考えると金利が上がるということは不動産の時価も上がるはずです。まさにどちらを取るのかはその人次第といったところです。
まとめ
建替え工事にも使えるローンということで、まずは住宅ローンについて詳しくお話しました。仕組みや基礎的なことを、まずはしっかり知っておきたいですね。
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